愛してるのに愛せない
友達
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彩と友達になった入学式から一週間が経った。
俺はいつも通りに大輝と学校に歩いている。
「なんだかんだで一週間も経ったんだなぁ…」
大輝がやる気なさそうに話す。
「早いねぇ…」
大輝…二日くらい前から同じこと言ってるぞ…
「彩と友達になってから一週間だな」
俺がそう言うと大輝が目を輝かせた。
「今度、三人でどっか行かねぇ?」
「おっ、いいね。どこ行こうか?」
「任せる!」
そう言って大輝はケラケラ笑っている。
任せるって言われてもなぁ…
俺にどうしろと…
とりあえず、彩も入れて話さなければ意味がない。
俺は大輝に、後で話そうと言って歩き続ける。
「彩かぁ…なんか不思議だよな」
大輝が急に彩の話をして俺は驚いた。
「何が不思議なんだよ?」
「いや、金髪なのに可愛いっていうか…」
大輝…?まさか、彩が好きとか言うつもりか…?
「まぁ、タイプじゃないけど」
……こいつっ!
俺の期待を返せ!!
そんなくだらない話をしているうちに学校に着いた。