愛してるのに愛せない


教室に入ると明日香が俺に話しかけてきた。



「津島君、おはよ!」

「はよ。朝から元気だな」



明日香は「へへ~」と言うと友達の輪に入って雑談に加わった。




なんだあいつ…?




変な奴だと思いながらも俺は自分の席につく。



「彩~、おはよ~う」

「あっ、おはよ」


学校に着いて彩に挨拶するのが最近の日課になってきている俺と大輝。






彩との会話には、最初のぎこちなさもなく仲良くやっている。




俺は大輝と話していた話を彩にも話してみる。




「そうそう、大輝が今度、三人で遊ばないかって」

「ん~…良いけど」

「で、どっか行きたい場所あるかって」

「特にない…任せた!」






くそっ、お前もかっ!!


つまり、俺がどこ行くか考えろと…





「ははっ…大輝にも言われたことを彩も言うとか…いじめですか?」




俺がニヤニヤすると彩は必死に否定した。


「そんなつもりじゃないし!!」

「じゃ、なんで?」

「いや…その……男の子がする遊びってわかんないし…」





そりゃそうだ…

女の子とでも遊べること…行けるもの…何があったっけ?




「あたしはどこでもいいよ?」






なんだろ……意外に彩って可愛いかも…?
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