愛してるのに愛せない
「とりあえず、戻るわよ?」
「……ん?理花さん?」
「なぁーに?」
「戻るって…理花さんはどこに…?」
「もちろん、あんたの家よ?ねぇ、彩ちゃん?」
理花さんが彩にウィンクして言った。
「なんで俺が家から出てきたことを…?」
「もちろん光太に聞いたからよ?」
なるほど…。
俺と彩は、理花さんの後ろを歩いて家に戻る。
歩いてる間、理花さんが兄貴に電話していた。
家に帰れば、さっきから抱いている不安も取り除かれるのだろうか…?