愛してるのに愛せない
――――――――…
「ちゃんと見つけたわよ?」
「海斗……おかえり…」
「兄貴…」
家に着き、俺たち三人は家に入ると兄貴が出迎えてくれた…。
「とにかく、みんな集まってる。座ってくれ…」
兄貴に言われて俺たちは座る。
彩は俺の隣に座り、俺の手を優しく包んでくれている。
「海斗……今まで隠していて本当に悪かった…」
「もういいよ…。俺が兄貴の優しさに気付かなかったのも悪いし、兄貴の優しさが嬉しかった…。だから、もういいよ…」
「ありがとう…海斗…」
謝るのは俺の方だしな…。
「兄貴…」
「ん?」
「俺の方こそ…酷いこと言って悪かった。ごめん…」
「海斗…」
俺は兄貴に頭を下げた。
どんなことがあっても俺を守ろうとしてくれていた兄貴。
どんなに感謝しても、感謝しきれない…。