愛してるのに愛せない
「でも…可哀想だよ…」
レイがツラそうな顔をして言った。
確かに可哀想だが、どうせ仲間になって違う人をいじめるのなら変わらない。
俺はそう思っていた。
俺が溜め息をついて頬杖をついた時、急に彩が立ち上がった。
「あたし、止めてくるっ」
『はっ!?』
彩が言った言葉に驚く俺たち。
思わず全員が声を出すほどだ。
俺は彩を止めようとする。
「待てよ…。今助けたとして、次にいじめられるのは彩なんだぞ?」
「でも…可哀想だよ…」
「わかるけど……あっ、おいっ‼?」
彩は俺の言うことを聞かずに、止めに行ってしまった。