愛してるのに愛せない


「海斗っ!」


「ん?」


「行ってらっしゃいっ」


「行ってきまーす」


母さんになった理花さんに玄関まで見送られて、俺は家のドアを開けて学校に向かった。




一年前とは、比べられない程の生活の変化だ。



こっちに関しては言うことはない。


問題は学校にあった。



いつものように学校に行く途中で大輝と会って、二人で学校に行く。





ここまでは良かった…が、学校に着いて俺は驚きと嘆きしか無くなった。




それは昇降口に着いて下駄箱を見た時だった。


隣にいる大輝もそれを見て驚く…。




「なんだよ……これ…」



俺と大輝が見たもの…。




それは……俺、彩、大輝、レイの下駄箱の扉に『病原菌は死ね』と赤い何かで書かれた落書きだった。
< 242 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop