愛してるのに愛せない
「よくやるねぇ……馬鹿か?」
俺は鼻で笑って言うと、溜め息をついた。
こういう手口のいじめは大概、靴が隠されてるか画鋲が仕組まれてるかだ…。
俺はそれを大輝の時で経験してる。
そうなっていることを予測して、俺は扉を開ける。
「あれ…?上履きがある……大輝は?」
「俺もある…」
俺は、上履きの中に手を突っ込んで画鋲が入ってないか調べた…。
大輝も同じことをするが、二人とも画鋲がない。
「考え過ぎ…か?」
「いや……教室とかも…」
教室…。
確かに教科書とかも何かやられてるかもしれない…。
ん…?
「なぁ…大輝」
上履きに履き替えて教室に向かおうとした大輝を呼び止める。
「どうした?」
「彩とレイ……特に彩は靴とか、全部が狙われるんじゃないか…?」
「あっ……。でも、あの二人は俺たちよりも早く来るよな…?」
俺と大輝は、急いで彩とレイの上履きを確かめる。