愛してるのに愛せない
「あった……麗華の上履きに画鋲…」
「こっちは釘が裏から刺さってる…」
俺は彩の上履きに刺さってる釘を抜こうとする。
大輝はレイの上履きの画鋲を取り除いている。
「釘とか……一歩間違えれば大怪我だぞ…!?」
「こっちも…画鋲の量が半端じゃない…」
釘は、足に刺されば貫通する程の長さ。
画鋲は気付かずに踏めば、まともに歩くのはツラいという量が入っていた。
「中学生で……ここまでするか!?」
大輝が悔しそうに言って画鋲を取り除き終わる。
「さぁな……」
俺は釘を抜くのに苦戦しながら、大輝と会話する。
「でも…上履きがあるってことは…二人とも来てないんだな」
「そう…みたいだな…。ふぅ…」
上履きから釘が抜けた。
そして上履きを戻した時、靴が無いことを確認した。
「まだ来てないみたいだぜ?」
「じゃあ、今の内に教室に行こう」
俺と大輝は教室まで走った。