愛してるのに愛せない
「そういえば…下駄箱見た?」
「うん……」
「まさか、ここまでするとはな…」
「でも、気にしないのが一番だよ…」
彩と話していて、なんとなく思った。
彩は無理しているように見える。
俺が彩を心配してジッと見ていると、明日香が登校してきた。
「うわっ!エイズ女が来てるよっ‼」
登校するなり明日香はいきなり大きな声で言った。
俺たち四人は明日香を睨みつけたが、明日香は気にしてない様子だった。
それからも毎日そんなことが続き、俺は彩の異変に気付いた。
左の手首に包帯が巻かれることが多くなっていた彩に、俺は気付いた。