愛してるのに愛せない
ん~…カラオケしかないな…
あとはどっかで飯食えばいいだろ。
只今3時限目…
大輝はまだ寝ている。
うとうとしていた彩は、寝ては起きて、ノートに写しては寝るの繰り返し…
この二人…普段の私生活はどうなってるんだか…
俺は二人を交互に見て、フッ…と笑った。
窓から心地いい風が入ってくる。
春だし、暖かくて、こんな心地いい風が入ってきたら眠くもなるわな…
外の桜の木をなんとなく眺めていると、左側から声が聞こえた。
「ん……ぅん…」
なんだ…彩か…
桜の木を見ていたはずの俺は、気付くと彩をジッと見つめていた…