愛してるのに愛せない
「彩…」
長い沈黙が海斗によって破られた。
返事もしないでいると、海斗は話を続けた。
「彩……前に言ったよな…。」
「何を…?」
「悩み事があるなら相談しろって…。でも、無理に聞かないって…」
「うん…」
海斗と大輝と初めて遊んだ日…。
大輝が来なくて、二人で待ちながら話したこと。
海斗があたしに言ってくれた言葉…。
あたしは…それを今もちゃんと覚えてる。
海斗も覚えててくれてたんだ…。
でも…話したら海斗が離れてしまう。
そんなの嫌だよ…。