愛してるのに愛せない
変わり始める日常―from 海斗―
彩を学校に来させないようにしてから一週間…。
俺は大輝とレイに、彩に学校は来ないように言ったことを話した。
大輝とレイは納得して賛成してくれたが、彩のエイズについては話さないことにした。
あくまでも、いじめから回避するためだと伝えるだけにしておく。
そして今は大輝とレイがトイレに行って、俺は教室で一人で自分の席に座っていた。
相変わらず、彩の噂が絶えないクラス。
なんとなく噂を聞いていると、数人の男子が俺に話しかけてきた。
「お前って月城と付き合ってるんだろ?」
「付き合ってないけど?」
「どうだか?本当はお前、月城とヤッて、エイズになってるんだろ?」
「なんでそうなるんだよ」
「明日香が言ってたぜ?」
半笑いで話すこいつらにイラ立ったが、明日香という名前を聞いて、俺は明日香を見る。
明日香は薄笑いしていて、一緒にいる女子もこっちを見ながら笑っていた。
一緒にいる女子……友美じゃないか…?
よく見ると、一時期いじめられていた友美が明日香と一緒に笑っていた…。