愛してるのに愛せない
「でも…月城さんがいなくなって、せいせいするね♪」
友美が明日香に言った一言で、俺は怒りが込み上げた。
「…んだとぉっ!?」
席から立ち上がり、友美に殴りかかろうとした時、誰かに腕を掴まれて動きを止められた。
「やめろ!落ち着けっ海斗!」
振り向き、誰か確認する……大輝だ。
「離せよっ!」
俺が大輝の手を振り払おうとした時、レイが俺の前に立った。
「海斗っ落ち着いて!今は我慢して!」
「なんでだよ!?あいつは彩に助けてもらっておきながら、彩をいじめてんだぞ!?」
「わかってるよ…!!でも落ち着いて!」
レイの声と大輝の抑えで、俺は少しずつ冷静さを取り戻す。
レイがその俺を見て、振り返る。
振り返り、俺に背中を向けたレイは明日香と友美に歩み寄る。