愛してるのに愛せない
「今日はどんな用かしら?
「別に…ただ…」
俺は彩のことを話しそうになって、言葉を続けるのをやめた。
「ただ…?」
「いや、なんでもないです」
気になった先生は俺に聞いてくる。
俺は、話さないようになんでもないと伝えた。
「嘘でしょ?なにかあったんなら話してみなさい?」
俺に真剣な顔をして聞こうとする先生を信じていいのか、迷った。
クラスの人間を見ていて、思ったことがある…。
この前までは仲が良かったのに、人間って簡単に人を裏切るんだなぁ…。
これは、クラスにとっては真実だ。
だからこそ、話すのを躊躇ってしまう…。