愛してるのに愛せない


「今日はどんな用かしら?


「別に…ただ…」




俺は彩のことを話しそうになって、言葉を続けるのをやめた。



「ただ…?」


「いや、なんでもないです」




気になった先生は俺に聞いてくる。
俺は、話さないようになんでもないと伝えた。




「嘘でしょ?なにかあったんなら話してみなさい?」



俺に真剣な顔をして聞こうとする先生を信じていいのか、迷った。





クラスの人間を見ていて、思ったことがある…。




この前までは仲が良かったのに、人間って簡単に人を裏切るんだなぁ…。





これは、クラスにとっては真実だ。



だからこそ、話すのを躊躇ってしまう…。


< 265 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop