愛してるのに愛せない
「実はクラスでいじめが流行ってて…」
「いじめ……どんな?」
「エイズをネタにしたいじめです…」
先生はエイズの話を聞いて、とても驚いていた。
そして俺は、先生に彩のことを話す。
いじめについて話し終わった後に、先生が「酷過ぎる…」と言っていたのが心に残った。
そして、俺は大輝とレイにも話していないことを話し始める……彩のことを。
「実は…彩もエイズなんだよ…」
先生とレイは口を覆い、大輝は目を大きく開いて驚いていた。
「なんだよ…それ…」
大輝が俺の肩を掴んで聞いた。
「だから…彩もエイズだったんだ。彩自身が言ってたんだから間違いない…」
「そうじゃねぇよ!!いつからだ!?」
「小四の時から…いろいろあって、そうなった」
「そんな…だから何も言い返さなかったのか…」
「あぁ…。本当のことだから言い返せないってさ…」
「…なんで話してくれないんだよ…」
「それは、俺たちに嫌われると思ったからだってさ…」
保健室が重たい空気に包まれる。
大輝の言いたいことも、レイの言いたいこともわかっていた。