愛してるのに愛せない
「彩は一人で苦しんでたんだ…」
「あたしたちが…いるじゃん…」
レイが泣き出す。
彩は全部背負って生きていくつもりなのか……逃げ続けるつもりなのか…。
そんなことはわからない…。
ただ…俺は彩を嫌いはしない…。
そう思って、俺は左の手首を押さえた。
「とにかく…彩に会わなきゃな…」
「今から…行くか?」
俺は二人に聞いてみる。
もちろん学校は終わってない。
二人は少し悩んでから頷いた。
「じゃあ、行こう」
俺たちは、学校を早退して彩の家に向かった。