愛してるのに愛せない
「うわっ……ホントだ…」
見比べ終わって彩は肩をガックリと落とす。
それを見ていた大輝は爆笑した。
「ぎゃっはっは!!バッカでーっ!!」
「なによっ!!大輝だってノート書いてないじゃんっ!!」
「また始まったよ…」
俺は再び額に手を当てて、やれやれ…と溜め息をつく。
「大輝の方がひどいじゃん!!ノート真っ白だしっ!!」
「それは……確かにそうだけど…」
言い合いの末、彩が大輝に勝った。
大輝……口弱すぎっ!!
俺はもう一度溜め息をつくと二人に話し始めた。
「あのなぁ…お前ら二人とも同じだから!!」
「なっ!!」
俺の一言に彩と大輝がハモる。
「どっちにしたって寝過ぎだわ!!ぶっ通しで寝てたじゃねぇか!!」
「はぃ…」
俺が半笑いで言うと二人とも小さくなった。
「ノートは早く終わりそうな彩に貸しておくから大輝はどうにかしろよ?」
そう言って俺は彩にノートを渡す。
彩はニコニコしながら「ありがとっ」と言って、早速ノートに写しだした。