愛してるのに愛せない


「海斗…?」

「ん…?」




兄貴に呼ばれて、ハッとする。



またもや考え事をしていたようだ。






「海斗のせいじゃないからな…?」





泣き止んだ兄貴は笑顔で俺に言う。








ホントに…兄貴は俺の特徴をよく掴んでる…









「それより、海斗の方が何かあるんじゃないのか?」



「ん…?あぁ…」



「言ってみな?」



「今度の日曜、朝から夜まで友達と遊んでくる」










なんか…俺ばっか楽しんでていいのかな…




兄貴の顔をゆっくり見ると兄貴は微笑んだ。



「行ってきな?今のうちに楽しんでおきな?」



そう言って兄貴は俺にお金を渡す。



「ありがとう…」



俺は貰ったお金を財布にしまう。





「海斗っ!」




兄貴に呼ばれて俺は振り向く。



「ありがとな…」




兄貴は笑って俺を見る。




「どういたしまして…」







俺も兄貴に笑顔を見せて、自分の部屋に行く…
< 35 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop