愛してるのに愛せない
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「海斗っ!」
学校に向かってから、10分くらいしたところで名前を呼ばれた俺が振り返る。
そこには小学校からの親友の相馬 大輝(そうま だいき)が手を振って走っているのが見えた。
俺はその場で立ち止まって大輝を待った。
「よう。」
「海斗おは!一緒に学校行こうぜ!」
会っちゃったんだから一緒に行くしかないだろうが…
「やれやれ…歩くの遅いと置いて行くぞ。」
俺はスタスタと先に歩きだす。
「ちょっ、てめっ…待てよ!!」
先に行く俺を追いかけるように大輝は走り出す。