愛してるのに愛せない
学校に着いた俺と大輝はクラス分けを眺める。
「人が邪魔で見えねぇ…」
「ぼやくなよ…大輝だけが通う訳じゃねぇんだから」
「そうは言ってもよ~…ん?海斗の名前あったぞ」
自分の名前があると聞いて俺は大輝の見ているところに視線を移す。
「ホントだ…俺の名前あるわ。E組だってさ。大輝は?」
大輝に問いかけると、大輝はニヤニヤしていた。
「また同じクラスだぜ!よろしくな!」
「マジで!?ウケんだけど!!」
知らないやつがたくさんいる中で、俺と大輝は爆笑していた。
笑いが落ち着いてきた頃に、大輝に
「そろそろ行くか?」
と聞くと、大輝はまだ笑っていた。
「いつまで笑ってんだよ!!」
確かに俺も笑ったが…
なぜお前はそんなにツボが浅いんだ!
あまりにも笑いすぎてて、さすがに痛い子に見えてきた大輝を見て
ふんっ!と脇腹に突きをくれてやった。
「うぐぅあぁっ!」
大輝が明らかに『なにしやがる』って感じで見てる。
お前がいつまでも笑ってっからだろがっ!
つか、痛い子に見られてたから、むしろ助けてやったんだよっ!
「ほら、行くぞ」
大輝に、教室に行くように促すと大輝は
「すまん…」
と申し訳なさそうに謝り、仕方ないといった表情で俺についてきた