愛してるのに愛せない
親友に変わるとき
彩と大輝と遊んでから二ヶ月経った。
クラスメートの友達も増え、今はテストの一週間前だ。
俺たちは6月のジメジメした暑さに耐えながら授業に出ている。
不意に大輝が溜め息をつく。
「なんか悩み事でもあるのか?」
俺が大輝に問いかけると、大輝は俺を見て再び溜め息をついた。
「いやぁ…テスト前だなぁと思って」
「ははっ、大輝は勉強できないもんなっ」
「なんで海斗は勉強できんだよ…」
大輝…
それはお前が授業の間、寝てばっかだからだよ…
俺が大輝に呆れていると、彩が話に入ってきた。
「あたしも勉強できない…」
「彩も俺と同じだなっ」
「大輝と違ってあたしは寝てないもんっ」
うん、全然変わってない。
そして、彩…
お前もなんだかんだ言って、大輝と同じタイミングで寝てるからな…?
俺は二人の会話を聞いて溜め息をつく…