星の祈り
だから私にとってはすごく重要なことでも、宇宙からみたら大気に浮いた塵のように、ちっぽけなことなのかもしれない。

今回の引越しのことだってそうだ。


でも、

でも・・・


「誰か、気づいてくれないかな」


宇宙からみたらちっぽけなことでも、やはり私にとっては重要なことで。

心の中によく分からない“何か”が入り込んでたまってきて、胸が苦しくなった。



 1週間後の早朝、私たちは誰に見送られることもなく、ひっそりとこの地をあとにした。

最後に見ようと思っていたあの空は、太陽に飲み込まれていて見えなかった。

それだけが唯一の心残りだ。
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