キミの願いを

ほんとにもう!

からかいすぎだよ…。



だけど、華の言ってることはわかる。


あたしのために、琉唯は輝先輩に怒ってくれた。




…あたしは、輝先輩と遊びで付き合ってすらいなかった。



後から聞いた噂では、輝先輩は誰とも付き合わない。本命をつくらない。


言葉でももちろん、体で女をオトすプレイボーイだと有名らしい。


それを知らない新入生は、みんな本気で好きになる。



そんな危険な香りも、輝先輩の魅力のひとつ。




「って、ぜんぜん魅力に思えないし!」



「何がやねん」



突然、声が聞こえて振り返ると、入り口に琉唯の姿。




「……えっ?」



片手には、あたしの鞄。




……あ。


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