キミの願いを

案の定、あたし達が到着したのは、コンテスト参加者が溢れる体育館前だった。



「ねえ、琉唯、あたし達も参加するの…?」


「したいんやろ?」


あたしのほうを見ずに、淡々と言う琉唯。



「え、や、それは……」


何故かその先の言葉が詰まった。




琉唯は、あたしがメイド服を着て、コンテストに出たかったんだと、完全に思い込んでいる。


たしかに、メイド服着たいなとは、ちょっと思ったけど、コンテストに出るっていうのは、あたしじゃなく、華の提案で。


それなのに…



あたし自身も、琉唯と一緒に参加することに、それはそれでいいかな…なんて、思っちゃってるんだ。




……なんで?




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