キミの願いを
と、そんなこんなを思っているうちに、琉唯が、参加の受付を済ませてしまった。
「ったく、なんで俺がこんなんせなあかんねん…」
改めて自分の状況を実感したのか、琉唯は独り言をぼやく。
そのとき。
ボスっと、近くにいた子と肩がぶつかった。
「あ、すいません。」
無理もない。
もうすぐ始まるコンテストに向けて、参加者はみんな体育館前に集合しているせいで、今はかなり混雑している。
「こっち」
琉唯に腕を引き寄せられ、自分と立ち位置を変えられる。
そのおかげで、少しだけ人混みから外れることができた。
あ……琉唯のくせに、自分が人混み側に立ってくれたりして、ちょっとドキッとしちゃった…。
と、あたしがお礼を言う前に、琉唯が先に口を開く。
「つーか、俺のこの格好は問題ちゃう?」