キミの願いを

「…えーっと、と、とにかくカップルのお2人、ありがとうございましたー!」


ざわざわしている会場に対して、すぐに、その場を繋げようとする司会者の声が聞こえてくる。



ステージ袖で、そっとおろされるなり、あたしは琉唯に向き直った。


「ちょっと、琉唯!なに考えてるの!こんな…」


「別に意味はない。」


「んなわけないでしょ!
しかも、いきなり……ほんと、びっくりしたじゃん!」


「うっさいなあ、ただ担いだだけやろっ」


か…担いだ……って…!




「ひどい!米俵呼ばわりするなんて!!」


「あほか!誰もそんなん言ってへん!」


「何よ!琉唯のばか!」

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