キミの願いを
階段で、ばったり琉唯と遭遇した。
「…あ、琉唯……」
琉唯は、あたしから輝先輩へと視線を移す。
そのまま、じっと見つめる。
輝先輩も、負けじと琉唯を見つめ返した。
その一瞬、沈黙になって。
見つめたというより、睨むようだというほうが正しいかもしれなかった。
「行こ。」
琉唯が一緒にいた友達に言葉を発し、目を逸らして、歩いていった。
「俺らも行こう」
再び歩き出す輝先輩。
あたしは、琉唯の後ろ姿を眺めながら、階段を上っていった。