キミの願いを
―――「エマ……」
屋上。
あたし達のほかに誰もいない。
輝先輩は、あたしに近づき、そっとキスする。
壁を背にして、あたしはゆっくりと瞼を閉じた。
甘い、甘いキス。
何度も顔の角度を変えて。
「……ん………ぁ…」
慣れないキスに、息苦しくなる。
「ひか…る…せんぱぃ…」
輝先輩が、少し唇を放す。
まじまじと見つめ合う。
恥ずかしくて、下を向いた。
「エマ。」
名前を呼ばれて顔を上げると、輝先輩は優しく微笑んだ。