キミの願いを

――「初デートって言えば、やっぱ映画館かなあ?」


「もしかして、輝先輩と!?」


華が目を大きくして、あたしを見る。


「そうだよ…?」


昨日の帰り道に、今度行こうって話になって…!




「あーもう!琉唯っ!

あんた、まじでこのままでも知らないよ?」


「お前、嫌がらせか!わざわざそういうこと言うなや!こいつの前で!!」


琉唯と華が言い合う。



「…え、何?こいつって、あたしのこと?」


自分を指差すあたし。



「ちゃうわ、あほ。喋んな」




な…………



喋んなって……そこまで言わなくたってさぁ!!




「じゃあ、いいよ!もう。

琉唯には一生喋りませんー。」


「はっ!?ちょ、待てや!」





いいもん、いいもん。


琉唯なんか知らないもん――。




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