キミの願いを

バンッ――。


勢いよく肩を押されて、あたしはその場に座り込んだ。



体育館裏。


あたし達の他に、もちろん誰もいない。



「前に言われたこと、わかってんの?」


真ん中にいる先輩に、上から鋭く睨まれる。






う……わぁ…。


まるで、修羅場だよ…





「なんで…」


「ぁあ?」



先輩の耳にある、いくつものピアスが光る。




こ…怖いかも…。





「…なんで、先輩たちに…そんなこと言われなくちゃいけな」

「おまえ、ボコられたいの?」



こ、こ、怖い!






やだよ。



怖いけど、でも





こんなことで、諦めちゃうなんてやだよ。



< 55 / 146 >

この作品をシェア

pagetop