キミの願いを
「……あたしは、輝先輩のことが好きなんです…!」
目の前に立ってる先輩が、そこらへんに落ちていたバスケットボールを拾いながら、あたしに言った。
「それが何?
あたしだって、ずっと輝のファンやってきてんだよ…。あんたが好きになるより、ずっと前からなぁっ!!」
先輩がそのボールを投げようと、手を振り上げた――。
「それやったら、もっと正々堂々とその橘輝先輩と向き合って勝負したら、どーですか。」
……琉唯の声。
あー、頭にボール当てられちゃったのかな…幻聴が。
だって、ここに琉唯はいな…
「……琉唯っ!?」