キミの願いを

――「…失礼しまー…す。」



「そんなに緊張しなくていいよ。今、誰もいないから。」


なんて、笑って言う先輩。



なおさら緊張するよ!



「こっち、俺の部屋ね。好きなとこ、座って?」



言われて入ったのは、男の子なのに、整理整頓された綺麗な部屋。


どこか落ち着いた雰囲気が漂っていて、自然とローテーブルの前に腰を下ろした。



ふいに、ローテーブルに置かれたウォークマンが視界に入る。


「輝先輩、どんな音楽聴くんですか?」


「…んー、幅広いけど。聴いてみる?」



「はいっ」


< 73 / 146 >

この作品をシェア

pagetop