キミの願いを

―――「はい。じゃぁこれ、中田。」



「はい?」


急に呼ばれて、素っ頓狂な声が出るあたし。


「中田、お前またどっか飛んでいってたのかー?」


数学の授業中。

先生が、あたしを呆れた目で見る。



「どうせ、あいつのことでも考えてたんやろ。」

隣から聞こえてくる嫌味な発言。



「輝さまのこと?」


「だからぁ!『さま』はいらん!!」


「いらなくないもん。

輝さまーっ」



「きっしょいねん!」




「あのねぇ!
ほんま、そういうこと言わないでよ!」




しまった……。


またしても関西弁が…。



たしかに、自分でも気持ち悪いかも…。




でも、つられちゃうわけで…。

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