キミの願いを

――お昼休み。


「ねぇ、エマ。」


「んー?」


お弁当を食べながら、華が言った。



「琉唯に…輝先輩とのこと、話してないの?」



あたしはお箸を動かすのを止めた。


「どうして?」


「琉唯があたしに、エマが何かあったんじゃないかって、聞いてきた。」



琉唯、いつの間に…。



「言っちゃったの?」


「まさか。あたしは、勝手に言わないよ。」



いやいや、華のことだから、あっさり話しちゃったかと思った。



「…でも。太一くんは、聞かれたら正直に話すと思うよ?」




赤川くん………。


とっても言いそうだよ。


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