~親友という名の絆~
7ゲームが始まって数分。

相手のゴール付近でボールの奪い合いが続いている。

同じチームの遥と香奈は、その中にいる。

私はと言うと、いつ遥たちがパスしてきてもいい様に少し離れた所で構えている。

「薫!」

遥が素早く呼ぶとともに、こちらに向ってパスしてきた。

遥の投げたボールは本人が驚く程、高めで鋭どく勢いがあった。

私はそのボールをキャッチしようと思い切りジャンプし腕をのばす。

間違いなくキャッチ出来るはずだった。




でもボールはすり抜けていった。


一瞬透けたように見えた私の手を…



バシーンッ



大きな音を立ててボールが床を打つ。



私はそのまま体勢を崩して倒れ込むように落ちた。



シンと静まり返る空気

ゆっくりと起き上がり、掌をみてみる。

すると、一瞬透けた後元に戻った。

ー どう…なってるの……?

全く訳がわからず呆然としていた。





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