~親友という名の絆~
「ところでさ、お前何でここに居るんだよ。まだ仕事中のはずだろ?」

ここは村はずれの南の小道

彼女が居るはずの神社は村の西側で、井戸のある場所から何処を通ってもこの小道には辿り着かない。


「ん~何となくかな?予感がしたし、丁度水汲みに行く頃合いだったし、水桶取って抜け出して来てみたの。
コレって勘ってやつ?」

人差し指を顎に当て少女は空を仰いだ。

「かもな。でも、そんなに良く当たらなくたっていいのによぉ。
あ、予感してもこれからは別に助けに来なくてもイイから。
あんなガキ位俺が自分で何とかするから。」


「えぇっ!?なんで?」

視線を少年に移し、問い掛ける。

「なんでって…何時までもお前の世話になってるのも悪リィし…
お前は見習いだって言っても巫女の仕事はちゃんとしないとって言ってただろう?」

「そうだけど…」

納得がいっていない様子の少女

「大体、何でお前は俺に構ってくれるんだ?
他の奴は寄り付こうとしないくせに。」

「それはさぁ…」

少女は口ごもらせる

「君は…僕の…友だちだから…」

「友だち…だから…?」

「イイでしょう?もう僕行くから!」

「おっおう…」



急に態度が変わった少女を少年は呆然と見送った。



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