~親友という名の絆~
水桶を手に駆けていく妹の姿を見送った後、姉の笑顔に陰がさした。


「何か見えたのか?理恵」

「えぇ……涼の未来が朧気に…
良いものでは無かったわ。どうしましょう…何故今、見えて…私に見えてしまったの…?」

理恵は半ば崩れるように膝をついた。



直感力が秀でた涼に対して理恵は予知力に秀でている。

とは言うものの、見るモノの殆どは白い霞に覆われていたり、ほんの少しの未来の断片しか見えないと様々。


理恵の見た未来にかかる霞が濃いければ濃い程、信憑性は低く、ハッキリとしたものであれば信憑性は高くなる。


今回見えたのは、霞かかった涼の姿

妹は珍しく泣いていて

湖にいた




出来るコトなら当たって欲しくない


こんな予知さえ消してしまえばいい




大切な妹を想う故の姉の想い



理恵は本殿に戻ると、そっと手を組み合わせ祈りを捧げた。











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