~親友という名の絆~
別 れ
「さて、この状況如何すべきか…」
薄暗い部屋の中
囲炉裏を囲み、深刻な顔つきの面々が並んでいる。
村長、神主、時期神主の遠矢、家々の大黒柱の一部の人
村長が口を開かなければ、ずっと静かなままだった。
中央で燃える木の崩れる音と、炎の揺らめく音
上がり掛けに掛けられた簑や笠から滴る水の音
時に強く、時に弱く
量の差はあれどヤッパリ降っていることには変わらない雨の音
それか先程まで、部屋を支配していた。
村長の言葉に全員は押し黙ったまま
今の村周辺の状況は
村の上流にある湖は溢れる寸前
川は氾濫しかけている場所がある。
このまま雨が降り続くなら、この村は水に押し流されてしまうだろう。
皆、皆は分かっている
このままではいけないと
何かをしなけれはなら無い
でも、川の補修工事は終わった。
他に思い当たることも行ってきた。
祈祷もやったが、効く気配は全くない。
様々なコトを行動に移したつもりだ。
この状況を脱するための手段は
けど、後一つ
その後一つの方法が彼らの頭の隅にあった。