~親友という名の絆~
『人柱』


故に、自分から言い出そうとする者などいない


軽々しく提案するものでは無い。


人柱候補者の父親が目の前に居るのだから。




ゴロゴロッ



遠くから雷鳴が聞こえた。









「…もう……例の方法しか…無いのか…?」


1人の男がポツリと呟いた。


「出来ることは全てやり尽くした。残るは…命を捧げるのみ……」


「村と…ヒトを護るために…」




重い口が開かれていき




その場に居た2人意外の頭が縦に振られた。



「満場一致じゃの…」


「はい」

神主は答えた。

「分かっていました。この長雨になった時から」


脚の上に置いた拳が震える。

「私たちは神に仕える身です。覚悟は出来ています。私も、きっとあの子たちも…
それにコレは村の掟ですから…」


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