~親友という名の絆~
「涼……決まったよ…」
蝋燭の灯された一室に少女は居た。
優しい姉と共に、
部屋に入ってきたのは彼女たちの父と遠矢、そして村長。
余程楽しい話しに興じていたのか、涼と理恵は神妙な面持ちの3人を笑顔で迎えていた。
そしてその笑顔は父の言葉によって消された。
「涼、村の未来はそなたに委ねる。お願い出来るか?」
村長が涼の前に座り、そう尋ねた。
「はい…私で宜しければ…」
膝の上に置いた手を畳にずらし、そのまま頭を下げた。
「儀は…何時になるのですか?」
隣で俯いた理恵が問う。
「明日の夕刻」
「そうですか…」
理恵はそう返した。
本当になってしまった。
あの日朧気に見えた妹の未来
ハッキリとは分からなかったけど…
これ以上悪い状況にならないで欲しい。