~親友という名の絆~
ザザザ ザザッ
相変わらずの雨の音
その音を聞き戸の方へ目を向けた。
雨の音が微かに違う。
翔は藁を綯う手を止め、引き戸を開けてみた。
「あ、翔」
「何だ、涼か。俺の所来るなんて珍しいな。まあ、入れよ。」
「うん‥」
軒下に入り、簑と傘を取って掛け家に入る。
簑の下は何時もの巫女服ではなく、普通の着物。
「どうしたんだよ。いきなり俺ん家に来るなんて。」
「う~ん…何となくかな」
少し考え込んだ後、涼はニッと笑って答えた。
「?」
首を傾げながらも彼女を火の灯した囲炉裏の側に座らせた。