~親友という名の絆~



ザザザ ザザッ


相変わらずの雨の音


その音を聞き戸の方へ目を向けた。


雨の音が微かに違う。


翔は藁を綯う手を止め、引き戸を開けてみた。


「あ、翔」

「何だ、涼か。俺の所来るなんて珍しいな。まあ、入れよ。」

「うん‥」


軒下に入り、簑と傘を取って掛け家に入る。

簑の下は何時もの巫女服ではなく、普通の着物。

「どうしたんだよ。いきなり俺ん家に来るなんて。」

「う~ん…何となくかな」

少し考え込んだ後、涼はニッと笑って答えた。



「?」


首を傾げながらも彼女を火の灯した囲炉裏の側に座らせた。



< 201 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop