~親友という名の絆~
「……」
「……」
暫くの沈黙
「おい、」
「何?」
「何か言えよ。」
「えっ…」
「何かさ、お前ずっと黙ってるのって…らしくない。」
「そぉかなぁ?」
天井を見上げ、ポリポリと頬を掻く涼。
「そうだ。お前が訳もなくただ黙りこくってるなんて滅多にねぇよ。
あるとしたら…親子喧嘩か姉妹喧嘩の後くらい。家で何かあっただろ。」
「無い!」
「ウソつけ。俺ん家来るのは悩み有るから。
昔っからそうだろ。」
「そうだっけ?」
翔の言葉にケロリとした表情で返す。
「そうだった。
それに、お前がずっと静かだったらコッチの調子狂っちまう。」
「何それ。」
フフッと笑って答えると、翔の眉間の皺が更に深くなった。
「ハイハイ……えっと……」
なにか違う話題はないかと頭の中を探っていると、外からまた雨の強くなった音が聞こえてきた。