~親友という名の絆~
「翔、もうそろそろ僕帰らなきゃ」

涼はゆっくり立ちながらそう言うと、思い切り背筋を伸ばした。


「そうか、」


翔も囲炉裏を離れると、草鞋を履くため土間に降りた。

草鞋を履いてまた前を向く頃には、簑を付け傘を被った帰る準備万端の涼がいた。


「じゃあ……」

またな



そう言って見送っても良かったのだが


「涼、俺で良ければ何時でも話し聞いてやるから言え。」

「急にどうしたの?」


戸口の方を向いていた涼は振り返り首を傾げた。

「どうして?じゃない。だって……」

翔は言葉を切って横を向いた。


「?」




「友だち……なんだろ。俺たちは。
だからだよ。」


尻すぼみになった翔のコトバ

「あ…りがと…」



翔のコトバに驚いていた涼もそう呟くとやんわりとした笑顔になった。



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