~親友という名の絆~

「そんな事って…」

地に手を突き、ゆっくりと頭を左右に振り始めた。

(分からない…僕は…どうしたら…いいの…?)





「オイ、おま…」


何か言い掛けたトウジを鋭い視線で止める。



「なぁ涼、お前分かってんのか?お前が居なくなれば悲しむ人が居るってコト。」


彼女の前に回り込み目線を合わせると、優しく両肩を掴んだ。


「理恵だって、遠矢だって、おじさんだって…」


涼は辛くなって顔を背けた。


「俺もカナシイ。俺、お前が居なくなって欲しくはない。
だからココに来た。お前を守るために。
それが掟に背くことになったとしても。」

「…なんで…?」

「そんなの決まってる。俺たちは友だちだから。涼は俺にとって大切な友だちだから。お前には生きていて貰いたい。」


「翔…」


自分の肩の上にある彼の手をギュッと握り返した。






< 214 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop