~親友という名の絆~
「そんな事って…」
地に手を突き、ゆっくりと頭を左右に振り始めた。
(分からない…僕は…どうしたら…いいの…?)
「オイ、おま…」
何か言い掛けたトウジを鋭い視線で止める。
「なぁ涼、お前分かってんのか?お前が居なくなれば悲しむ人が居るってコト。」
彼女の前に回り込み目線を合わせると、優しく両肩を掴んだ。
「理恵だって、遠矢だって、おじさんだって…」
涼は辛くなって顔を背けた。
「俺もカナシイ。俺、お前が居なくなって欲しくはない。
だからココに来た。お前を守るために。
それが掟に背くことになったとしても。」
「…なんで…?」
「そんなの決まってる。俺たちは友だちだから。涼は俺にとって大切な友だちだから。お前には生きていて貰いたい。」
「翔…」
自分の肩の上にある彼の手をギュッと握り返した。