~親友という名の絆~
反射的に閉じていた目を開く。
自分が居るのは一面白ではなく、灰色の世界だった。
今度は独りではない。
隣には自分と同じく死んだはずの涼。
そして、2人の前に浮かぶ白い光が一つ
『やぁ、君たちが涼と翔だね。』
いきなり聞こえてきた声は、その光の中からだった。
「お前は誰だ!そして此方は何処なんだ。」
自分たちの前で浮遊する光に問う。
『落ち着きなさい、翔。順を追って説明致しますから。』
光りを点滅させながら応える。
『まずは私が何者か、ですよね?私は死後の世界の監理を任されている者の1人・セピアと申します。以後、お見知りおきを』
丁寧な物言い
声しか聴くことが出来ないが、こちらに一礼しているような気配がする。
『それから此処は"生"の世界と"死"の世界の狭間の世界"臨界"です。死後、遺体から抜け出た魂が黄泉の国に行くため通る道の様なものです。
此処まで宜しいでしょうか?』
フワリと翔の目の前に留まるとセピアは尋ねる。