~親友という名の絆~
「あぁ」と短く答える翔


『では単刀直入に伝えます。貴方たちは罪を犯しました。』


「罪?」


『えぇ。貴方は怨霊となり地上に降り、水で村を押し流した。そして幾人もの命を奪いました。
死後の世界では、怨霊になることは赦されない罪とされています。』


「その罪が消えない限り黄泉の国に入ることは出来ない…」


『流石』


光は瞬き、涼の前に進み出た。


本人は何も発することもなく俯いたまま首を横に振る。


『貴女にはもう分かっているのですね、涼。』


では、そう呟きセピアは翔の前に戻った。


『なので、貴方たちには罰則としてこの"臨界"の管理人となっていただきます。
此処には、生の世界に未練の有る魂が留まってしまうことがあります。その多くは、時間が解決してくれます。しかし稀ですが、想いが強すぎ地上に戻る魂も有るのです。貴方のように、』

「……」


『その為、定期的に臨界の見回りをしているのですが、私たちの仕事は他にもまだあります。この件だけに構う余裕は無いのです。』


少々困惑気味に話しを続けていく。


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