~親友という名の絆~
「気が付いたら側に翔がいて、翔が放っていた負の力と僕の力が合わさって、波をより大きくしていった。
僕は村を全滅させた罪人だよ……」


伏せた薄青の瞳が更に揺るぐ。

「僕は、父さんも姉さんも義兄さんも殺してしまった…」
(其れだけで僕は罪なんだ)

手が震える。


悲しみ 悔い 負の感情

どんなに悲しんでも家族は戻ってこない

あの中には……あの頃には帰れない

どんなに悔いても過ぎた時は戻らない。

失った命たちも村も家も元には戻せない。


してしまったことは帳消しになんて出来ない。

出来る筈無い。



「僕は……僕は……」

「涼…」

翔はそっと涼の肩に手を置いた。

「涼…独りで背負い込むな。
俺も居る。2人で罰を受けるんだ。
なぁ…涼…?」


彼女はただ俯いたまま微かに頭を縦に動かした。

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