~親友という名の絆~
「なぁ、セピア…」

低めの声が光に呼びかける。

「俺たちはどうすればいい?」

『先程の話しの通り、臨界に留まる魂を黄泉の国へ。生の世界につくった未練を断ち切るのです』
「セ…」

『因みに、期間は無期限です。但し貴方たちを繋ぐ鎖が無くなるまで。
一つの魂を黄泉の国に送ることが出来たなら鎖は一つ消えます。しかし、生と死の理を乱せば加算されます。
現在の鎖の数は36本』

「36…」


36はあの村の総人口から2人を引いた数


一つ一つは大きく重い

これが背負うべき罪の重さ


『そして、全ての鎖が消えた時貴方たちは自由です。他の魂と共に黄泉の国に入ることが出来ます。最後にコレを。』


何処からともなく現れた小さな光。

黒と白の光たちは翔と涼の周りをクルクル回り始めた。


黒は翔

白は涼


「な…んだよ、コレ。」


『貴方たちの新しい力です。さぁ、手を出して御覧なさい。』


2人が掌を出すと、光たちはそれぞれの手の上に一度止まり、スッと中に入っていった。


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