~親友という名の絆~
「大丈夫だよ。」

歩みが止まった私の顔をのぞき込む。

「大丈夫。薫、自信を持って。確かに今日は調子が悪かった。けど薫なら大丈夫。だって薫は才能あるんだから。ねっ。」

そう言って遥は微笑む。

遥の笑顔は元気をくれる。

「ありがとう、遥。」

私も笑って見せる。


「よしっ薫、最後の筋競走しよ。入り口まで。」

モップを持ち替えてイタズラっぽい笑みを浮かべる。

「えっちょっと…」

「スタート♪」

私の準備が出来ないうちに遥は走り出す。

「ゴール♪」

「もうっずるいよっ。」

しゃがみこんで先にゴールした遥を見あげる。

「えへへ」

遥はもう1度笑うと真剣な表情になった。

「明日は絶対勝とうね。」

手を差し出す。

私も手を差し出して遥の掌に当てる。

パンッ

体育館に乾いた音が響く。







「もちろん」







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