~親友という名の絆~
「薫ーーー!!!」

後ろから聞こえてきた明るい声。

振り返ると手を振りながらトレーニングウェアを着た女の子が走って来る。

彼女は【橘 遥(タチバナ ハルカ)】

遥は私と同じ『丘』に住んでいる。

彼女の場合、両親とも長い間海外出張に行ってて、今もいろいろな国へ行っているそうだ。

「やっぱりここに来てたんだ。おばさんどうだった?」

「大丈夫。今朝少し話したけど、昨日より調子良さそうだった。それよりごめん、私の分も新聞配達頼んじゃって…」

「いいよ、ついでだったし。気にしないで。」

一つに束ねた長い髪を揺らし、遥はにっこり笑う。

「ありがと…」

私達は、毎朝新聞配達をしている。

そして、その帰りにジョギングをするのが毎朝の日課なのだ。



「早く帰って支度しないと!今日の練習8時半からだから早くしなきゃ遅れちゃう!」

自分の腕時計を見て慌てたように遥はそういうと、歩き始めた。
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